ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 【あらすじ・感想】スピルバーグはやっぱり天才
ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 スタッフ・キャスト
スタッフ
- 監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ( )
- 脚本:リズ・ハンナ( )
- 脚本:ジョシュ・シンガー( )
- 製作:エイミー・パスカル( )
- 製作:クリスティ・マコスコ・クリーガー( )
- 撮影監督:ヤヌス・カミンスキー( )
登場人物/キャスト
- キャサリン(ケイ)・グラハム(メリル・ストリープ )
- ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス )
- トニー・ブラッドリー(サラ・ポールソン )
- ベン・バグディキアン(ボブ・オデンカーク )
- アーサー・パーソンズ(ブラッドリー・ウィットフォード )
- ロバート・マクナマラ(ブルース・グリーンウッド )
- ダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス )
- ラリー・グラハム・ウェイマウス(アリソン・ブリー )
あらすじ
1966年ベトナムの戦況は混迷を極めていた。しかし国防長官のロバート・マクナマラはメディアからアメリカの勝利への展望を質問されると、飛躍的に進歩していると事実とは異なる答えを返していた。
ダニエル・エルズバーグは自らの信念でアナリストを務めるランドランド研究社から「アメリカ合衆国のベトナムにおける政策決定の歴史」という機密文書を持ち出しコピーしていた。
それから5年後…
夫が自殺して以降ワシントン・ポストの社主となったキャサリン(ケイ)・グラハムは、会社の株式公開に向け膨大な資料を読んでメモを作成し会議へ参加した。しかし1970年代初め女性の経営者が珍しかったうえ、夫が亡くなるまで専業主婦だったケイは役員たちに重要視されず、部下であるフリッツ・ビーブが彼女の代わりに発言するような有様だった。
そんな中ニューヨーク・タイムズがベトナム戦争に関する調査報告書の一部を掲載した。そこには4人の大統領がベトナム戦争に関して嘘をつき、国防長官のマクナマラも1965年にはこの戦争には勝てないことが分かっていたということが明かされていた。
ワシントン・ポストの編集主幹ベン・ブラッドリーは以前からニューヨーク・タイムズの敏腕記者ニール・シーハンが姿を見せないことに気が付いていたが、その記事を見てからはマクナマラと古くから付き合いのあるケイに文書をもらうように説得する。ケイはそれは犯罪行為だと断った。
しかし以前ランド研究社に勤めていた記者ベン・バグディキアンは心当たりのあったエルズバーグに接触し、文書の入手に成功する。株式公開も控え会社の存続を第一に考えている役員たちは記事を掲載することに反対するが…
感想
良かったです。すごく面白かった!
この映画の撮影が決まった2016年当初、スピルバーグはレディ・プレイヤー1の撮影中だったようですが、脚本を読んでこれは今撮るべきだと決断したらしいです。なんと映画か決定から公開まで1年ちょっとの短期間で製作。(アメリカ公開は2017年12月)メジャーな映画がそんな短期間で作れるとは…それももう一本作りながら…マジっすか(汗)
力量のあるスタッフとキャストが集まると、史実でもドラマティックでこんなに面白くなるものかと感心しました。しかも短期間での製作。スピルバーグもメリル・ストリープもトム・ハンクスもやっぱり天才ですね。
※この先ネタバレがあります。
スピルバーグが脚本を読んで「今でしょ!」と思ったというのもやっぱり現大統領のトランプ氏が影響しているのだと思いますが、見ている途中はそんなこと感じませんでした。しかし最後の最後にニクソンが電話で「ポストの記者は今後ホワイトハウスに入れるな!」と激高し、そのあと“ウォーターゲートビル”の“民主党”に侵入者があったというこの後起きる“ウォーターゲート事件”を匂わせて終わります。
女性社主の成長と、ライバル紙に出し抜かれて躍起になっている記者たちを描きながら、最後の最後にニクソンの電話でトランプを思い出させるというのが上手いですよね。これが途中にトランプを匂わせるような演出が多々入ったりすると、やっぱり気になってストーリーに入り込めなくなります。
物凄い努力家で的確な判断が出来ているのに男性社会の中でなかなか自分の主張が出来なかったケイが、ペンタゴン・ペーパーズの記事を出すときに最後には他の役員たちに有無を言わさず「社主は私です。掲載します。もう寝ますから」とあっけにとられている役員を尻目に去っていく姿は格好良かった!
そのあとの写植と印刷機は時代を感じましたね。あれはブロンクスにあるニューヨーク・ポスト紙の印刷機らしいですが、その動きが更にことを成し遂げた!という感じを強くしました。
「報道は統治者のためではなく国民のためにある」(だったかな…うろ覚えですが)というブラック判事の判決文も良かったです。
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