デトロイト (Detroit)【ネタバレ・感想】

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キャスリン・ビグロー監督の『デトロイト』を公開初日に観てきました。

デトロイト
映画『デトロイト』公式Twitterより
https://twitter.com/movie_detroit

1967年、米史上最大級の暴動勃発。
街が戦場と化すなかで起きた“戦慄の一夜”
1967年7月、暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。そこで警官たちが、偶然モーテルに居合わせた若者へ暴力的な尋問を開始。やがて、それは異常な“死のゲーム”へと発展し、新たな惨劇を招き寄せていくのだった…。映画『デトロイト』公式サイトより引用

デトロイト スタッフ・キャスト

スタッフ

  • 監督・製作:キャスリン・ビグロー(
  • 脚本・製作:マーク・ボール(
  • 製作:ミーガン・エリソン(
  • 製作:マシュー・バドマン(
  • 製作:コリン・ウィルソン(

登場人物/キャスト

  • メルヴィン・ディスミュークス(ジョン・ボイエガ ):食料品店の警備員

アルジェ・モーテルの宿泊客

  • ラリー・リード(アルジー・スミス ):ザ・ドラマティックスのリードシンガー
  • フレッド・テンプル(ジェイコブ・ラティモア ):ザ・ドラマティックスのメンバーの弟
  • ジュリー・アン(ハンナ・マリー ):美容師の白人女性
  • カレン(ケイトリン・ディーヴァー ):ジュリーの友人の白人女性
  • カール・クーパー(ジェイソン・ミッチェル ):おもちゃの銃を発砲した若者
  • グリーン(アンソニー・マッキー ):ベトナム帰りの元空挺師団兵、ジュリーの友人
  • オーブリー(ネイサン・デイヴィス・Jr ):カールの友人
  • リー(ペイトン・アレックス・スミス ):カールの友人
  • マイケル・クラーク(マルコム・デヴィッド・ケリー ):カールの友人

デトロイト市警の警官

  • フィリップ・クラウス(ウィル・ポールター ):デトロイト市警の差別主義者の警官
  • デメンス(ジャック・レイナー ):暴行に加担したクラウスの同僚
  • フリン(ベン・オトゥール ):暴行に加担したクラウスの同僚

ネタバレ

暴動の発端

1967年7月23日アフリカ系退役軍人を労うパーティーの会場が、違法酒場の摘発の対象になった。警官たちはその場にいた黒人たちを目立たないように聴取しようとしたが裏口が閉まっていて、表通りから移送するしかなくなってしまう。周囲で見ていた人々は黒人ばかりが警察に連れていかれる場面を見て、警官に向かって投石をはじめた。彼らは警官たちがいなくなった後付近の商店の窓ガラスを割り略奪し始めた。

暴動は収まる気配がなく、翌日以降も広がり続けた。2日目にデトロイト市警のクラウスは店から略奪した品物を抱えている非武装の黒人男性を、規則違反にもかかわらず追跡中に2度銃撃した。男性はその後死亡したが、クラウスの上司が殺人罪で提訴するか決定するまで現場に出ることを許された。

アルジェ・モーテルへ

モータウン(レコード会社)からデビューすることを夢見ていたザ・ドラマティックスのメンバーたちは、地元デトロイトのライブが暴動によって直前に中止になってしまっていた。メンバーたちは帰ろうとしていたが暴動で乗っていたバスが襲われ徒歩で移動することになってしまう。街は暴動を起こしている黒人と警官で危険な状態で、リードシンガーのラリー・リードとメンバーの弟フレッド・テンプルは近くのアルジェ・モーテルの離れに一泊することにした。

ラリーはフレッドを連れてホテルの宿泊客だったジュリーとカレンに声をかけて親しくなった。彼らはジュリーの友人の黒人青年の部屋に行ったが、そこでカールという黒人の若者がふざけてスターターピストルを友人に向けて撃ったので、怒ったラリーたちは自分たちの部屋に戻り、ジュリーたちはグリーンの部屋へ移動した。カールはさらに外にいた州兵を見て何度もスターターピストルを鳴らした。

死のゲーム

食品店の警備員をしていたメルヴィン・ディスミュークスは、店の前にやってきた州兵たちとの関係を良くしておこうとコーヒーを振る舞っていた。そこへカールが鳴らしたスターターピストルの音が響いてきて、州兵たちは狙撃されていると誤認しアルジェ・モーテルへ向かい、窓に向けて発砲した。しかしそれは誰にも当たっていなかった。

発砲されてパニックになったカールは友人たちが止めるのも聞かず外へ逃げ出そうとした。そこへやってきたデトロイト市警のクラウスはカールを射殺し、そばにナイフを置いて襲われたように偽装した。デトロイト市警の警官たちは部屋にいたカールの友人たち、グリーンの部屋にいたグリーンとジュリーとカレン、自分たちの部屋にいたラリーとフレッドを1階の廊下へ引きずり出した。ディスミュークスは後から様子を見に来て、射殺されているカールが襲ってきたというクラウスの言い訳を鵜呑みにした。

クラウスとデトロイト市警の警官たちは、ラリーたち宿泊客を壁際に手を付かせて立たせ、誰が狙撃したのか、銃はどこにあるのかと怒鳴り尋問した。そして一人ずつ“死のゲーム”と称して別室に連れて行き、威嚇射撃をしてその場から動かないように指示して外にいるものに殺したと思わせて恐怖感を植え付けた。

ミシガン州警察もその場にいたが、関わると人権問題になると考え見て見ぬふりをして引き上げた。

酷くなる虐待

クラウスたちは執拗に尋問を続けたが心当たりがなく恐怖に怯えている宿泊客たちは何も答えることがなかった。彼らは黒人の若者たちを銃で殴ったり壁へ押し付けたりして虐待し、ジュリーとカレンは売春婦だろうと侮辱し服を剥いだり足の間に銃を差し込んだりした。見かねたディスミュークスたちはジュリーとカレンを別の店へと連れ出した。

警官による虐待はさらに熾烈を極め、死のゲームを本当に射殺すると勘違いしたデメンズがオーブリーを射殺してしまう。発覚を恐れたクラウスとフリンは残った若者たちを一人ずつオーブリーの遺体のある部屋へ入れ、何も言わないよう念を押した後解放した。しかし最後に残ったフレッドは拒否してお前が殺したと言い放ったためにクラウスに射殺されてしまった。

被害者はカール、オーブリー、フレッドの黒人の若者3人で、いずれも10代だった。

その後

良心の呵責に耐え切れなくなったデメンズとフリンは上司に事情を聴かれて本当のことを話してしまう。ディスミュークスも事件にかかわったとして逮捕され起訴された。

ジュリーは警察署で若者たちを殺した現場にいたのは誰かと、警察署でマジックミラー越しに聞かれていた。ジュリーはディスミュークスを指さしたが、そこにはクラウスたち白人の警官はおらず、黒人しかいなかった。しかし裁判中に質問された時、ジュリーははっきりとクラウスとフリンを指した。

裁判が始まると事件に関係のない黒人の若者たちの前科のことなどを聞かれた。白人ばかりの陪審員は彼らを無罪にした。起訴された警察官たちは元の職場に戻ることはなかった。

ザ・ドラマティックスはレコードデビューが決まったが、ラリーは白人のために歌うのは嫌だと教会の聖歌隊に入り今もデトロイトに住んでいる。ディスミュークスは殺すと脅され、デトロイトを出て警備員の仕事を続けた。ジュリーは幸福な家庭を築いた。

感想

昨日公開初日に鑑賞してきました。キャスリン・ビグローらしい骨太の映画で良かったです。

若いまだ無名な俳優が多い中で、ジョン・ボイエガやウィル・ポールター、キャプテン・アメリカのファルコン役アンソニー・マッキー、ゲーム・オブ・スローンズのジリ役ハンナ・マリーらはさすがの存在感でしたね。アンソニー・マッキーはまた軍人の役でしたがw

何日も続く暴動のさなかはまるで戦場です。暴動を起こしている方も鎮圧しようとしている方も興奮状態。街は夜間外出禁止になったり銃を持った州兵たちで溢れかえったりまるで戒厳令でも引かれているかのよう。窓際から外の様子を見ていた子供が狙撃手と間違えられて撃たれたり。狙撃手なんてねぇ。本当に暴動事件のさなかに狙撃手がいたんでしょうかね…

しかし映画の主題であるアルジェ・モーテルの虐待のシーンになってからはすごく長々と続き、虐待されている黒人たちに感情移入してしまってかなりきつかった。虐待されている黒人の若者たちと白人女性2人がひたすら可哀そうです。最初に殺されたカールでさえ、いたずらの代償が命だなんて酷すぎる。

このアルジェ・モーテルの話はほぼ実話なのですが、圧倒的な悪に見えるウィル・ポールター演じるクラウスは2~3人の実在の人物を混合させた架空の人物だそうです。しかし架空の人物だったらもっと生育環境とか差別主義になる背景みたいなものを創作でも描いて欲しかった気がします。

虐待しているクラウスがただのサイコパスに見えてしまう。そこはちょっと不満かな。差別主義に至る経緯、例えば親が差別主義だったとか、自分も虐待されていたとか、そういうのも知りたかったです。

気の重くなる映画でしたが、ラリー役のアルジー・スミスの歌声は本当に素晴らしく、最後の聖歌隊での熱唱は圧巻でした。ここだけは癒しでしたね。

それにしても50年前の話なので今とはだいぶ違うのでしょうが、アメリカの人種差別の根深さというか過激さというか闇の深さを感じる映画でした。

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映画実話

Posted by くり


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